イヌザンショウ

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01.植物名(和名)イヌザンショウ
02.花言葉なし
03.学名Zanthoxylum schinifolium Siebold et Zucc. var. schinifolium
04.科名Rutaceae(ミカン科)
05.和名(漢字)犬山椒
06.別名オオバイヌザンショウ、ホソバイヌザンショウ、コバノイヌザンショウ
07.英名Chinese prickly-ash
08.ローマ字名Inu’zansyou
09.中国名青花椒
10.生薬名①崖椒(がいしょう)または青椒
11.花期7月〜8月
12.使用部位(薬用部位)①果皮 ②葉
13.装飾、薬用、食
14.有用植物・食薬区分表衣・薬用  
15.採取と調製果皮:9月~11月果皮が裂開する直前の褐色に熟した果実を枝ごと採取して陰干しにする。裂開後に種子を除き、果皮のみを再び陰干しにする。葉:8月~9月に採取し天日乾燥する。
16.植物解説イヌザンショウは、日当たりの良い山地や丘陵地に自生する、雌雄異株の落葉低木で、形体はサンショウに似る。夏に黄緑色の小花を枝先に多数つけて集散花序となり、枝にはトゲが互生する。一方、サンショウは、春に花が咲き、トゲが対生し、イヌザンショウ(互生)と異なる。小葉6~11対からなる羽状の複葉が枝に互生し、小葉には浅く目立たない鋸歯があり、鋸歯のくぼみには油点がある。サンショウに比べ少し劣っているというニュアンスに因み、香りが少なく役に立たないの意からイヌザンショウの名がついたとされるが、昔は油点の多い果皮から採れる油はともし油に、堅い材は傘の柄・つえ・細工物に利用された。果実は山椒のように香辛料としては利用されないが、エルドラゴール、ベルガプテンを主成分とする揮発油を含有し、内服で鎮咳作用、外用で鎮痛・消炎作用を有する。民間で果皮を感冒時の咳止めに煎服、果皮または葉を打ち身や捻挫に外用する。
17.薬効と用法感冒時の咳に、崖椒5~8gを水600mLで半量になるまで煎じ、1日3回に分けて服用する。
打ち身・捻挫に、葉を乾燥させて粉末にし、卵白と小麦粉少々を練り合わせクリーム状にして患部に塗る。
18.食べ方サンショウに準ずるが、食に適さない。
19.参考文献
  1. 「宮崎の薬草」都城薬用植物研究会 宮崎日日新聞社 1995年
  2. 「南九州里の植物」初島住彦監修 南方新社 2001年
  3. 「牧野和漢薬用大図鑑」岡田稔監修 北隆館 2002年
  4. 「週刊朝日百科 世界の植物」通巻42号 1976年
  5. 「樹木の葉 実物スキャンで見分ける1300種類 山渓ハンディ図鑑14 増補改訂版」,林 将之,山と渓谷社,2019年
  6.  熊本大学薬学部 薬草園 植物データベース
  7. 「薬草全書」田中俊弘,渡邊高志,香月茂樹,酒井英二,新日本法規出版 1995年