セイヨウタンポポ

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01.植物名(和名)セイヨウタンポポ
02.花言葉愛の神託、真心の愛、明朗な歌声、別離
03.学名Taraxacum albidum Dahlst. (シロバナタンポポ,
              別名:ニホンタンポポ)
Taraxacum officinale Weber ex F.H.Wigg. (セイヨウタンポポ、
              別名:ショクヨウタンポポ)
04.科名Asteraceae (キク科)
05.和名(漢字)タンポポ(蒲公英)
06.別名ツヅミグサ(鼓草)※茎の両端を細かく裂くと、そり返って鼓のような形になることに因み名付けられた。
07.英名Common dandelion
08.ローマ字名Tanpopo
09.中国名蒲公英
10.生薬名①蒲公英(ホコウエイ)、②蒲公英根(ホコウエイコン)
11.花期 3月〜5月、ときに秋
12.使用部位(薬用部位)①全草、②根、(食用部位)①葉、②根
13.薬用、食
14.有用植物・食薬区分表薬用  
15.採取と調製春の開花前か開花後に全草を根ごと採取し、水洗いして乾燥させる。
16.植物解説タンポポは、全世界に広く分布するキク科の多年草。根はゴボウのような円柱形で地中深く直下する。倒披針形で深い切れ込みのある根生葉をロゼット状に広げ、その根元から花茎を出し、黄色または白色の舌状花からなる頭状花序をつける。花後、急に花茎を伸ばし、冠毛のある果実(そう果)を多数球状につけ、風で飛散する。春先に道端でみかける黄色いタンポポのほとんどは、カンサイタンポポなど日本産の数種を除き、明治時代にアメリカからサラダ用として持ち込まれたとされるセイヨウタンポポが繁殖したもので、総苞片が反り返って下向きになる点で在来種と区別できる。日本で観られる全48種の内、日本の在来種は34種あり、九州では白い花のシロバナタンポポが多く分布する。江戸時代延岡藩の絵師岡部南甫の描いたシロバナタンポポの絵が門川町勝蓮寺の天井画に残っている。最近ではあまり見かけなくなったが、人の手が入っていない空き地等で観察できる。近年、シロバナタンポポに似たキバナタンポポが出現するが、セイヨウタンポポとの交雑種と考えられるため注意して観察してほしい。
17.薬効と用法腎臓 栄養不足、下半身(菊花茶)
強肝・利胆・便秘・利尿・毒素排出作用など薬効は多岐にわたる。民間療法で全草を健胃薬・催乳薬(お乳の出をよくする)として用いられてきた。健胃、催乳などに、乾燥した蒲公英1日5~10g(蒲公英根では4~5g)を水600mLで半量まで煎じて3回に分けて服用する。乳腺炎には蒲公英根5gと金銀花5gを水400mLで煎じて服用する。
※キク科アレルギーのある方は控えた方がよい。また肝障害のある方は主治医に要相談。
18.食べ方タンポポ属植物全般は、食用になる。若葉はサラダやおひたし、花は天ぷらにして食す。根を焙煎して作るタンポポコーヒーはカフェインを含まないため妊産婦に人気がある。若山牧水は随筆中で、タンポポの根のきんぴらについて「牛蒡(ごばう)と違った味をもっていてうまい」と記している。また、タンポポの若葉とブタのソテーの甘味と苦味の組み合わせ{漢方の相性の関係:酸・苦・甘・辛・鹹(塩辛)の順に隣同士が相性の関係にあたる}はとても良いのでお勧めする。
19.参考文献
  1. 和田浩志、他、「新訂原色牧野和漢薬草大図鑑」、北隆館、2002年
  2. 寺林 進、「身近な薬草活用手帖 : 100種類の見分け方・採取法・利用法」、誠文堂新光社、2014.1
  3. 指田 豊、木原 浩、「身近な薬用植物 : あの薬はこの植物から採れる」平凡社、2013年
  4. 国立研究開発法人 医療基盤・健康・栄養研究所,「健康食品の安全性・有効性情報 素材情報データベース(専門家向け情報)」   https://hfnet.nibiohn.go.jp/
  5. 若山牧水、「家のめぐり~若山牧水全集. 第8巻 (紀行・随筆 第4)」、雄鶏社、1958年