マタタビ

105

01.植物名(和名)マタタビ
02.花言葉夢見る心地、晴れやかな魅力
03.学名Actinidia polygama (Siebold et Zucc.) Planch. ex Maxim.
04.科名Actindiaceae(マタタビ科)
05.和名(漢字)木天蓼
06.別名夏梅、ネコナブリ、アカフジ、イノカ、シロクチ、ママタブ、ヤマナシ、ジンガラノキ
07.英名Silver vine
08.ローマ字名Matatabi
09.中国名葛棗獼猴桃 (葛棗子, 木天蓼)
10.生薬名木天蓼(モクテンリョウ)
11.花期 6月〜7月
12.使用部位(薬用部位)果実の虫こぶ(木天蓼)
(食用部位)果実、新芽、花
13.化粧、クラフト、園芸、薬用、食
14.有用植物・食薬区分表薬用  
15.採取と調製(薬用部位)10月頃、虫こぶになった果実を採取し、熱湯に10分程度つけて中の虫を殺した後日干しにして十分に乾燥する。
16.植物解説山地の明るい林縁や谷沿いに生える、雌雄異株の落葉つる性木本。高さ5mほどになる。疲れ切った旅人が果実を食べるとまた旅を続けられるほど元気になったためマタタビの名がつけられた、という俗説がある。葉は互生し長さ5~18cmの広卵形または長楕円形で先は尖る。花は梅に似た形で白く、初夏に葉腋に下向きに咲き、強い芳香を放つ。花期には雄株の枝先の葉が白く変わるためよく目立つ。液果は長さ約2cmの長楕円形で先が尖り、秋に黄色く熟す。雄花の蕾にマタタビタマバエが寄生すると虫こぶができ、これが生薬の木天蓼となる。また、「猫にまたたび」ということわざがあるように、マタタビの葉、茎、果実に含まれる精油にはネコ科の動物を興奮させる作用(マタタビ踊りを引起こす成分:マタタビラクトン類など)がある。
17.薬効と用法血の巡りをよくする働きがあり、腰痛、冷え性、疲労回復、強壮、健胃などに木天蓼1日量10gを煎じて服用する。マタタビ酒を飲んでも良い。浮腫には、夏に蔓を切って集めた樹液を盃一杯ほど服用する。
18.食べ方新芽はワサビに似た味で天ぷらやお浸しにいい。花は甘酢漬けに、つるは塩茹でして乾燥させ、乾煎りするとお茶の代用になる。若い果実は焼酎に漬けてマタタビ酒に。若い果実は蓼のように辛いといわれるが、一昼夜塩水につけると苦みや渋みがなくなり食べることができる(梅酢につけると良い)。黄熟した実は甘く、生でもおいしい。
19.参考文献
  1. 宮崎の植物方言と民俗、南谷忠志、鉱脈社、2019年
  2. 自分で採れる薬になる植物図鑑、増田和夫 監修、柏書房、2006年 
  3. 樹木の葉実物スキャンで見分ける1300種類、林将之、山と渓谷社、2019年
  4. くらしの薬草と漢方薬、水野瑞夫、太田順康、新日本法規出版、2014年
  5. 新訂原色牧野和漢薬草大図鑑、和田浩志、他、北隆館、2002年
  6. 図説花と樹の大事典、木村陽二郎、柏書房
  7. 廣川薬用植物大事典、木島正夫、廣川書店、1993年
  8. 新訂・図解植物観察事典、家永善文他、他人書館、1996年
  9. 世界有用植物事典、下中 弘、平凡社、1996年
  10. 食べる薬草事典 大地の宝箱、上村光太郎、農山漁村文化協会、2010年