ナンテン

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01.植物名(和名)ナンテン
02.花言葉私の愛は増すばかり、良い家庭、福をなす
03.学名Nandina domestica Thunb.
04.科名Berberidaceae(メギ科)
05.和名(漢字)南天
06.別名ナンチョンノミ、ナンデン
07.英名Nandina, Heavenly bamboo
08.ローマ字名Nanten
09.中国名南天竹
10.生薬名南天竹葉、南天実
11.花期6月 
12.使用部位(薬用部位)葉:南天竹葉(ナンテンチクヨウ〉、果実:南天実(ナンテンジツ)
13.装飾、薬用、食(実/有毒)  
14.有用植物・食薬区分表薬用  
15.採取と調製(薬用部位)葉:8~9月に採取し、日干しにする。実:秋から冬(12月~3月)に成熟した果実を採取し、日干しにする。果実を摘み取り、日干しする
16.植物解説本州関東南部以西から四国、九州および中国の暖帯に分布し、山林に自生している常緑低木。その名が「難を転じて福となす」に通じることから縁起木として庭に植えられることも多い。
樹高1~2mで株は叢生する。葉は3回3出羽状複葉で互生し、小葉はやや革質、広披針形で先は尖る。初夏に枝先に大型の円錐花序をつける。花は白い6弁花で、多数の鱗片状の萼片があり、秋から冬にかけて赤い球形の果実が熟す。白い実の白南天もある。
17.薬効と用法実・根に含まれるドメスチンには鎮咳の効果があり、喘息や百日咳には南天実1日量5~10gに甘草2gを加え水300mL で半量にまで煎じた液を1日3回分服する。これは視力の回復にも効果があるといわれる。小児には大人の半量を蜂蜜や砂糖で甘味をつけて服用させる。扁桃炎に南天竹葉1日量10gを水300mL で半量にまで煎じた液を冷まし、うがい薬とする。湿疹、かぶれには南天竹葉を浴湯料として用いる。乗り物酔いには生葉を噛むと良く、歯肉炎には煎汁を含むと良い。葉から発生するごく微量の青酸化合物に殺菌作用があり、昔から赤飯や折詰の中に葉を添える風習がある。食中毒にはこのナンテンの葉を噛むと良いとされるが、全草(根を含む)にアルカロイドを含むため多量に摂取することは危険である。
18.食べ方食経験有するが、有毒成分を含むため注意が必要。
19.参考文献
  1. くらしの薬草と漢方薬,水野瑞夫,太田順康,新日本法規出版,2014年
  2. 新訂原色牧野和漢薬草大圖鑑,和田浩志,他,北隆館,2002年
  3. 宮崎の薬草,都城薬用植物研究会 編,宮崎日日新聞社,1995年
  4. 九州の薬草,高橋貞夫,葦書房,2002年
  5. APG原色牧野植物大図鑑1(ソテツ科~バラ科),邑田仁,他,北隆館, 2012年
  6. 図説 花と樹の大事典」,植物文化研究会編,柏書房,1996年
  7. 樹木の葉 実物スキャンで見分ける1300種類,林将之,山と渓谷社,2019年
  8. 自分で採れる薬になる植物図鑑,増田和夫 監修,柏書房,2006年
  9. 宮崎の植物方言と民俗,南谷忠志,鉱脈社,2019年
  10. 気をつけよう!毒草100種,中井将善,金園社,2002年
  11. 宮崎県大百科事典,宮崎日日新聞社 編,宮崎日日新聞社,1983年
  12. 中国本草図録,第一巻 66,蕭培根(主編); 真柳誠(訳編),人民衛生出版社,中央公論社,46p,1992年