ヤブツバキ

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01.植物名(和名)ヤブツバキ
02.花言葉 理想の愛、謙遜、誇り
03.学名 Camellia japonica L.
04.科名 Theaceae(ツバキ科)
05.和名(漢字) 藪椿
06.別名 ウガタシ、カタイシ、カタシ、タイワンヤマツバキ、ツバギ、
ホウザンツバキ,ヤマガタシ、ヤマツバキ
07.英名 Common camellia
08.ローマ字名 Yabutsubaki
09.中国名 日本山茶(山茶)
10.生薬名 山茶(サンチャ)
11.花期 11月〜4月
12.使用部位 (薬用部位)葉、花(山茶花)、種子(ツバキ油)
(食用部位)花、種子
13. 装飾、薬用、食
14.有用植物・食薬区分表 衣・薬用
15.採取と調製(薬用部位)花は開花直前に採取し日干しにする。葉は若芽を採取する。種子は絞って油をとる。(食用部位)葉は随時採取する。
16.植物解説ツバキには多くの園芸品種があるが、野生のものをヤブツバキと呼ぶ。常緑の高木で、樹高18mに達するものもある。葉は楕円形で厚く葉縁には細かい鋸歯があり、表面は濃緑色で光沢がある。それを艶葉木(ツヤハキ)、厚葉木(アツハキ)、寿葉木(ツバキ)などと呼んだことが和名の由来といわれる。冬から春にかけて花柄のない紅色の、ときに濃紅紫、淡紅色や白色の花をつける。花弁は5~6枚で基部で合着し、多数の雄しべは下半分が合着し筒状になる。中央に雌しべがあり柱頭は3裂する。筒の下部には蜜がたまり、小鳥が蜜を吸いにきて花粉を運ぶ。花は平開せず、散り方も特徴的で花弁と雄しべがまとまったままポトリと落ちる。果実は直径5cmほどの球形で、果皮は厚く赤褐色を帯び、成熟すると3裂する。種子の約60%が脂肪油である。材は堅く緻密で木魚や印鑑、楽器、道具類の柄などの細工物に使われ、薪炭材としても優れている。茎葉の灰は山灰と呼ばれ、古くからムラサキの根で紫色に染めるための媒染剤として重要であった。花、種子殻を焼いた灰も焼き物の釉薬(うわぐすり)として使われる。
17.薬効と用法種子から得られるツバキ油は、オレイン酸(一価不飽和脂肪酸)を多く含み、粘着性が少なく酸化されにくいという性質を持つ。日本薬局方にも収載され軟膏基剤に用いられる他、精密機械油や、頭髪用、食用、燈火用に使われる。油粕は粉末にして洗髪に使われる。民間では、葉4~5枚に甘草2gを加え煎服し関節炎、筋違えに使う。葉の汁(すりつぶすか口の中で噛む)は虫さされや止血に外用する。また、乾燥した花に熱湯を注いで作るお茶には滋養強壮の効果がある。
18.食べ方 花を姿揚げにする。
19.参考文献
  1. 「図説 花と樹の大事典」,植物文化研究会編,柏書房,1996年
  2. 「新訂原色牧野和漢薬草大図鑑」,和田浩志,他,北隆館,2002年
  3. 「廣川 薬用植物大事典」,木島正夫,廣川書店, 1993年
  4. 「九州の薬草」,高橋 貞夫,葦書房,2002年
  5. 「宮崎の植物方言と民俗」,南谷忠志,鉱脈社,2019年
  6. 6.「世界有用植物事典」,堀田満 他,平凡社,1989年