ハナイカダ

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01.植物名(和名)ハナイカダ
02.花言葉嫁の涙
03.学名Helwingia japonica (Thunb.) F.Dietr.
04.科名Helwingiaceae(ハナイカダ科)
05.和名(漢字)花筏
06.別名ママッコ、ママコナ、ツキデ、ドーシン、スッポンノキ、イカダソウ、イボナ、ツキデノキ、ツギデ、ツクデンハ、ママコモチ(継子冬青)、ヨメノナミダ、ママッコナ、ムコナ
07.英名Japanese helwingia
08.ローマ字名Hanaikada
09.中国名青莢葉(セイキョウヨウ)
10.生薬名青莢葉
11.花期4月〜5月
12.使用部位(薬用部位)葉、果実(葉上珠)(ヨウジョウジュ)、根(葉上珠根)(ヨウジョウジュコン)
(食用部位)若葉、実
13.化粧、装飾、クラフト、園芸、薬用、食
14.有用植物・食薬区分表薬用  
15.採取と調製(薬用部位)夏から秋にかけて 葉と果実、根を採取し、水洗いして日干しにするかそのまま使用する。(食用部位)展開する前の若芽を枝の付け根から摘み取る。
16.植物解説日本各地に自生する雌雄異株の落葉低木。沢の近くの、湿り気があり木漏れ日が差す日陰のような場所を好む。葉は互生し、卵状楕円形で先は尖り、両面無毛で光沢がある。縁には先が糸状になる鋸歯がある。葉の表面、主脈の中ほどに、雌株には1~3個、雄株には4~8個の緑白色の花をつける。このような、花を乗せた筏(いかだ)のような奇妙な形であるのは、葉の付け根から出た花軸が葉柄から葉身の中軸にかけて癒合していることによる。ハナイカダの名は、葉の中央に付く花~黒く熟す果実を船頭に見立て、葉を筏に見立てていることに因むが、一寸法師が葉の筏に乗って先導している様子をいつも想像する。核果は球形で、7月頃黒色に熟し、小鳥が好んで食べる。古くから身近な植物であったらしく地方ごとにさまざまな呼び名がある。茎を切って細い竹などで突くと髄が出てくるが、この髄は口にくわえて吸うとスッポンと音が鳴る。また、この髄は油に火をともすときの芯として使える。
17.薬効と用法激しい腹痛を伴う下痢、血便、胃痛には葉上珠1日量9~24gを600mLの水で半量になるまで煎じて服用する。咳や月経不順、打撲傷には葉上珠根1日量5~10gを煎じて服用する。
18.食べ方若芽を油炒めや煮物、菜飯、天ぷら、汁の実にする。お浸しにするときはゆっくり3分ほど茹でて水にさらすと鮮やかな色が出る。癖のない味。茹でるとマツタケのような香りが出る。黒く熟した実はかすかに甘く食べられる。渋みもあるがとても美味しく感じる。
19.参考文献
  1. 新訂原色牧野和漢薬草大図鑑,和田浩志,他,北隆館,2002年
  2. 図解・九州の植物 下巻,平田 浩,南方新社,2017年
  3. 宮崎の薬草,都城薬用植物研究会 編,宮崎日日新聞社,1995年
  4. 山菜ガイド,今井 万岐子,永岡書店,2000年
  5. 日本の山菜100超!,加藤真也,栃の葉書房,2010年
  6. 新訂・図解植物観察事典,岡村はた 他,他人書館,1996年
  7. 世界大百科事典㉒,下中 弘,平凡社,1992年
  8. 山菜・木の実 おいしい50選, 戸門秀雄, 恒文社, 38-39, 2007年