スミレ

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01.植物名(和名)スミレ
02.花言葉謙虚、誠実、小さな幸せ
03.学名Viola mandshurica W. Becker
04.科名Violaceae(スミレ科)
05.和名(漢字)
06.別名インコッコ,インビキグサ,ウマカケ,ウマカチ,ウマカテ,ウマコッコ,カチカチバナ,ケンカグサ,コマカケグサ,シシンビキ,ユビヒキ,ヨメジョヒッパリ(以上宮崎の方言)、ケナシスミレ、ケナシスミレ,キンモンスミレ,オオバナスミレ、スモウトリグサ、タロボー、カケビキバナ、ウシンコなど日本だけで約200の方言が知られている。
07.英名violet, heartsease, Jonny-jump-up, wood violet
08.ローマ字名Sumire
09.中国名 東北菫菜
10.生薬名 紫花地丁(シカジチョウ)、地丁
11.花期4月〜5月
12.使用部位(薬用部位)全草(食用部位)全草
13.装飾、薬用、食
14.有用植物・食薬区分表薬用  
15.採取と調製(薬用部位)春から秋にかけて全草を採取し陰干しにする。(食用部位)春の若葉を摘む。
16.植物解説日本はスミレ王国といわれるほどスミレ属の種類が多く、国内だけで約210種(Ylist: http://ylist.info/index.html)ほどが知られており、そのうち28種は宮崎県内に自生する。茎をのばさず、根元から葉柄と花柄を伸ばす無茎性のものと、茎から葉を互生しその葉腋から花柄を出す有茎性のものに大別され、前者の代表が種としてのスミレであり、北海道から九州および東アジアに分布する。日当たりの良い山野に自生し草丈は7~15cmほど。葉は花期には長卵形から三角状披針形で、花が終わると幅広くなりほぼ三角形になる。葉柄は葉身と同長かより長く、狭い翼がある。葉の間から花柄を伸ばし、春に、いわゆるスミレ色の濃紫色の花を横向きに開く。5枚の花弁のうち下弁の基部から後方に距(きょ)と呼ばれる膨らみがあり、この形が大工道具の墨入れに似ることからスミレの名になったともいわれるが定かではない。また、宮崎ではこの距を馬の頭に見立てた「馬」「駒」のつく方言が多く存在する。
17.薬効と用法打ち身には生の葉を塩でもみ患部に貼り付ける。腫れ物には生の葉をそのまま揉んで貼るか紫花地丁を煎じて服用する。不眠症や便秘には根2gに200mL の水を加え半量になるまで煎じたものを就寝前に服用する。
18.食べ方茹でて和え物、漬け物、汁の実など。花の色の美しさを活かしたゼリーや砂糖漬けも良い。
19.参考文献
  1. 「くらしの薬草と漢方薬」,水野 瑞夫,太田 順康,新日本法規出版,2014年
  2. 「新訂原色牧野和漢薬草大圖鑑」,和田浩志,他,北隆館,2002年
  3. 「宮崎の植物方言と民俗」,南谷忠志,鉱脈社,2019年
  4. 「九州の薬草」,高橋 貞夫,葦書房,2002年
  5. 「宮崎の山菜 滝一郎の山野草教室」,滝一郎,鉱脈社,2002年
  6. 「日本の山菜100超!」,加藤真也,栃の葉書房,2010年
  7. 「山渓カラー名鑑 日本の野草」,林弥栄,山と渓谷社,1983年
  8. 「世界有用植物事典」,堀田満 他,平凡社,1989年
  9. 「図説 花と樹の大事典」,植物文化研究会編,柏書房,1996年