センブリ

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01.植物名(和名)センブリ
02.花言葉はつらつとした美しさ
03.学名Swertia japonica (Schult.) Makino
04.科名Gentianaceae(リンドウ科)
05.和名(漢字)千振
06.別名イシャダオシ、トウヤク、センプリ
07.英名Japanese green gentian
08.ローマ字名Senburi
09.中国名日本獐牙菜(にほんしょうげさい)、日本當藥
10.生薬名千振(センブリ)【局】,当薬(トウヤク)
11.花期8月~11月
12.使用部位(薬用部位)開花期の全草
13.化粧、装飾、クラフト、園芸、薬用、食
14.有用植物・食薬区分表薬用  
15.採取と調製(薬用部位)絶滅を避けるため、花後、種の散布が終わった株を引き抜いて水洗いし、陰干しする。緑色が残る程度に乾燥させる。これを当薬という。
16.植物解説北海道から九州の日本各地、朝鮮半島、中国に分布し、日当たりのよいやや湿った草原や道端の土手などに自生する日本原産の二年草である。秋に落ちた種子が冬に発芽し、1年目は1cm程度の長卵形の根生葉を数枚地面に広げ、2年目は四角形で暗紫色の茎をのばして高さ15~30cmに成長する。葉は対生し、線形から倒卵形で紫緑色を帯びる。秋に白に3~5本の紫線がある花を多数つけ円錐花序を形成する。
古くから薬用植物として広く用いられてきた三大民間薬の1つ。名前の由来は、「千回振り出してもまだ苦い」から。また、当薬とは良く効くことから「当(まさ)に薬(くすり)」という意味。宮崎県では準絶滅危惧種に指定されている。また、センブリに似ていて、花が紫色で一回り大きく草丈も大きいムラサキセンブリ(Swertia pseudochinensis H. Hara)もまた希少になりつつある。
17.薬効と用法民間療法で、消化不良、食欲不振、胃痛、腹痛などに乾燥した全草の粉末1回0.03~0.05g(耳かき一杯ぐらい)を1日3回内服すると唾液や胃酸の分泌が促進される。あるいは乾燥した全草1~2本を折って湯のみに入れ、熱湯を注いで振り出し、冷やして服用する。
抜け毛や円形脱毛症の養毛、発毛に乾燥した全草3gを濃く煎じた液を洗髪後に薄毛部分につける。あるいは、乾燥した全草15gをホワイトリカー200mLに1~3か月浸漬後、布漉しした液を薄毛部分に1日1回少量擦り込んでマッサージする。センブリエキスを配合した育毛剤が多く市販されている。
18.食べ方食経験なし
19.参考文献
  1. 新訂原色牧野和漢薬草大図鑑,和田浩志,他,北隆館,2002年
  2. APG原色牧野植物大図鑑Ⅱ(グミ科~セリ科)),邑田仁,他,北隆館,2012年
  3. 図解・九州の植物 下巻,平田 浩,南方新社,2017年
  4. 自分で採れる薬になる植物図鑑,増田和夫 監修,柏書房,2006年
  5. 続・九州の薬草,高橋 貞夫,葦書房,2002年
  6. くらしの薬草と漢方薬,水野 瑞夫,太田 順康,新日本法規出版,2014年
  7. 薬草全書,水野瑞夫/田中俊弘(監修),渡邊高志,香月茂樹,酒井英二,新日本法規出版,1995年
  8. 宮崎の薬草,都城薬用植物研究会 編,宮崎日日新聞社,1995年
  9. 生薬単 第3版,伊藤美千穂,他,丸善雄松堂,2018年
  10. 宮崎の植物方言と民俗,南谷忠志,鉱脈社,2019年