スギ

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01.植物名(和名)スギ
02.花言葉 堅固、堅実
03.学名 Cryptomeria japonica (L.f.) D. Don
04.科名 Cupressaceae(ヒノキ科)
05.和名(漢字) 杉
06.別名 オモテスギ、ヨシノスギ、スッ、スッノッ、マキ
07.英名 Japanese ceder
08.ローマ字名Sugi 
09.中国名 日本柳杉
10.生薬名 なし
11.花期 3月〜4月
12.使用部位 ( 薬用部位)樹幹(杉木)、樹皮(杉木皮)、葉(杉葉)、種子(杉子)、木タール(杉木油)
13. 装飾、薬用、食
14.有用植物・食薬区分表 衣・薬用
15.採取と調製 (薬用部位)必要に応じて採取する
16.植物解説日本固有種の常緑高木で、青森から屋久島にまで点々と天然分布が認められており、延岡市の鬼の目山でも最近新たな巨木が発見され「天空の天然杉」と名付けられている。人工林に向き成長も早いため古くから木材用として各地で植林され、吉野杉、屋久杉、日田杉、飫肥杉など地理的な変異種が多い。幹は直立し枝葉が密につき楕円状円錐形の樹形になる。樹皮は赤褐色で縦に長く裂けて剝がれる。葉は短く、やや湾曲し針形で枝にらせん状につく。雌雄同株で、3~4月に開花し、雄花は楕円形で淡黄褐色、雌花ははじめ緑色で熟すと褐色、球形になる。風媒花で多くの花粉を飛ばし花粉症の原因となる。木材としての有用性が高く、加工しやすい材質を利用して建材や家具の他、木香(キガ)と呼ばれる芳香や抗菌力を活かした杉樽、曲げわっぱなどの工芸品にも使われる。また、樹皮は屋根葺や垣根、葉は焚き付けや線香の原料となるなど、我々の生活と深いつながりを持つ。和名は「まっすぐ立つ」の意の直木(すぎ)、また、すくすく育つ木、が転訛したものといわれる。杉花粉は、花粉症の悩みがある人は好ましくない物質です。花粉症は、スギの花粉だけが原因ではなく、ダニのアレルギー、排気ガスによる大気汚染、建築材のシックハウスなどの要素が重なって、体質が過敏になったことが原因といわれている。近年は、無花粉杉の育成研究(平成31年3月末までに少花粉スギ146品種、無花粉スギ6品種が開発)が盛んである。
17.薬効と用法民間薬として使われる。樹幹に含まれる杉精油には殺菌作用があり、止痛薬として心腹張痛、脚気に粉末にして患部に外用、または1日量30~60gを煎じて服用する。樹皮に含まれるタンニンには収れん作用があり、煎液を水腫、脚気、湯によるやけどに外用する。葉は消炎、鎮痛薬として慢性気管支炎に1日量15~30gを煎服し、また、歯痛、火によるやけど、虫刺されや腫れ物には生の汁を塗布する。杉の葉には、精油やテルペンという強い殺菌力を成分が含まれている。一方、葉にはスギ花粉に含まれるフラボノイドという成分も混ざっている。アレルギー体質の体への免疫逆治療法として認知度が上がることを期待したい。杉の葉には精油成分のテレピン油が多く含まれ、そのテレピン油にはアレルギー抗原物質が含有されることから、粗療法とも言える免疫反応を抑制する効果を利用した杉の葉茶が流通している。
18.食べ方杉の葉50~100gを軽く水洗いし、包丁やフードプロセッサーで細かくする。それを天日干しして十分に乾燥させ、お茶パックの袋に入れる。水1Lをやかんに入れ準備し、先ほどのお茶パックを入れ、弱火で20~30分煎じ、お湯が半分くらいに減ったら火を止める。中身を漉し器でろ過して飲んでください(1日1/2Lが飲用の目安)。長期間の冷蔵庫などでの保管は避け、1年中飲むことができる。
19.参考文献
  1. 「和ハーブ図鑑」,古谷暢基 他,和ハーブ協会,2017年
  2. 「新訂原色牧野和漢薬草大圖鑑」,和田浩志,他,北隆館,2002年
  3. 「宮崎の植物方言と民俗」,南谷忠志,鉱脈社,2019年
  4. 「南九州の樹木図鑑」,川原勝征,南方新社,2009年
  5. 「知っておきたい100の木」,田中潔,主婦の友社
  6. 「スタンダード版 APG樹木図鑑」,北隆館
  7. 「夕刊デイリー」,2019年3月8日,6面
  8. 「世界有用植物事典」,堀田満 他,平凡社,1989年
  9. 「図説 花と樹の大事典」,植物文化研究会編,柏書房,1996年